税金と補助金
概要
政策から発展して特に税金(税法)に関して記述するページです。
税金と補助金の基本的な考え方
「税率をどれくらいに設定するべきか?」というところからスタートすると難しく感じやすいと思います。
「国庫にどの程度あれば都市運営は安定するのか?」「市民の所持金がいくらあれば生活しやすいのか?」という風に考えると簡単です。
税金や補助金が必要な理由
仮に税金をまったく取らなければ市民に報酬を支払うたびに一方的に国庫から資金が流出し続けることになります。
序盤だと1日あたり市民数✕60~70ピア程度ほどの資金が国庫から減っていきます。
都市の人口にもよりますが10~20日もすれば財政破綻が見えてくるでしょう。
一方で補助金を出すのにも理由があります。
1度の生産に非常に時間がかかる労働をしている市民はその間の生活費が不足することが多いです。
たとえば穀物農園で骨粉と石灰粉を用いて大量生産で穀物を作る場合だと作業が終了するまでに1週間かかります。
収穫時には1680ピア手に入りますがほとんどは税金と次の生産のための材料費(308ピア)でなくなるでしょう。
税の支払いと材料への支出の後に1週間の生活に必要な350ピア程度が残らないなら補助金による支援が必要です。
あるいは病院などでも患者が来ない間は報酬がゼロになるので補助金がなければ生活が苦しくなります。
実際の運用
自国内にある資金の確認
まず都市にあるすべてのピアがいくらなのかを確認してみましょう。
管理(G
キー)から統計を開き「国庫」の詳細を確認してみます。
そうすると右側に「マネーサプライ」の項目を見つけることができます。
これが国内の資産の合計であり、すなわち国庫と市民の資産を合わせたものです。
難易度:易しいであればゲーム開始時の国庫が2万ピア、それに加えて市民が移住時に持参したピア(平均300)の合計が国内の総資産になります。
画像だと市民22人なので26600ピアが期待値になりますがこの場合はやや少なく26525ピアになっています。
国庫の金額の目標設定
ここからまず国庫に残す金額を考えます。
5000を下回ると流石に少ないでしょうし最初からある2万より多く残す意味もあまりありません。
だいたい8000~12000ピア程度を残したいところですがとりあえず1万ピアで考えてみます。
※この数字は貿易で取引している金額の大きさや雇用している公務員(兵士・警察官など)の数、福祉の支出額などで変わってきます。
そうなると国内総資産26525から国庫1万を差し引いて16525が市民に持たせていい金額の最大値になります。
後はこの金額を市民の数で頭割りにすれば市民1人に持たせていい金額が分かります。
このケースだと市民が22人なので多くても1人あたり751ピアまでということになり、それ以上の所持金を市民が持っているならあまり望ましくありません。
市民の所持金の目標設定
次に市民の生活に必要な金額を考えてみます。
序盤であれば市民は1日に食糧・娯楽・衛生の充足行動をそれぞれ1日に1.4回程度とります。
穀物14ピア、イベント会場15ピア、トイレ5ピアを合わせると34ピアでそれに1.4をかけると約48ピアです。
この数字もなかなか厄介で平均で1.4ということは1回の日もあれば2回の日もあります。
当然2回の日のほうが支出が多くなるのでそちらで考えたほうがいいでしょう。
たとえば下の画像の市民は食糧・娯楽・衛生をそれぞれ2回ずつとっており、それだけで76ピアの支出になっています。
欲求の巡り合わせによってはこういう日もありますし、人口が増えればそのような市民が数人はいると考えたほうが妥当です。
また生活費だけでなく仕事で使う材料費のことも考えなくてはなりません。
日付が変わる前に生産物を納品して所持金が増え、そこに大きな課税をされると次の日の仕事に使う材料を買えなくなってしまいます。
比較的序盤のほうでも材料費が重い仕事はいくつかありますし、大量生産オプションを使用していると一度の材料費が2倍になります。
例えば穀物農園で石灰粉と骨粉を肥料に用いる場合は154ピアの材料費が必要になります。
他にブルワリーで穀物から作るビールを作る場合で151ピア、紡織所でクモの巣からシルクを作る場合で110ピア、もう少し後だとガラス工房のガラス工芸品も材料費のガラスに110ピアかかります。
生活費と合わせると通常生産で220ピア、大量生産を利用しているなら390ピア程度の所持金を市民に持たせたいところです。
つまり市民の所持金が最低220~最高750ピアの範囲におさまるように税金を設定する必要があります。
その範囲であれば好みで税金を決めていいですが序盤であれば300~400ピアくらいの所持金を目標にする場合が多いでしょう。
目標に合わせた税率の設定
試しに課税資産300~1000ピア、税率10~60%の範囲で課税後の資産を一覧にしてみます。
状況にもよりますが10~20%だとやや低すぎますし、逆に50%を越えると市民の所持金が下がりすぎて経済が回らなくなる場合が多そうです。
課税資産500で税金25%なら375ピア残りますし、550で税金30%なら385ピア、600で35%なら390ピア残るのでそのあたりが無難だと思います。
資産\税率 | 10% | 15% | 20% | 25% | 30% | 35% | 40% | 45% | 50% | 55% | 60% |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
300 | 270 | 255 | 240 | 225 | 210 | 195 | 180 | 165 | 150 | 135 | 120 |
350 | 315 | 298 | 280 | 263 | 245 | 228 | 210 | 193 | 175 | 158 | 140 |
400 | 360 | 340 | 320 | 300 | 280 | 260 | 240 | 220 | 200 | 180 | 160 |
450 | 405 | 383 | 360 | 338 | 315 | 293 | 270 | 248 | 225 | 203 | 180 |
500 | 450 | 425 | 400 | 375 | 350 | 325 | 300 | 275 | 250 | 225 | 200 |
550 | 495 | 468 | 440 | 413 | 385 | 358 | 330 | 303 | 275 | 248 | 220 |
600 | 540 | 510 | 480 | 450 | 420 | 390 | 360 | 330 | 300 | 270 | 240 |
650 | 585 | 553 | 520 | 488 | 455 | 423 | 390 | 358 | 325 | 293 | 260 |
700 | 630 | 595 | 560 | 525 | 490 | 455 | 420 | 385 | 350 | 315 | 280 |
750 | 675 | 638 | 600 | 563 | 525 | 488 | 450 | 413 | 375 | 338 | 300 |
800 | 720 | 680 | 640 | 600 | 560 | 520 | 480 | 440 | 400 | 360 | 320 |
850 | 765 | 723 | 680 | 638 | 595 | 553 | 510 | 468 | 425 | 383 | 340 |
900 | 810 | 765 | 720 | 675 | 630 | 585 | 540 | 495 | 450 | 405 | 360 |
950 | 855 | 808 | 760 | 713 | 665 | 618 | 570 | 523 | 475 | 428 | 380 |
1000 | 900 | 850 | 800 | 750 | 700 | 650 | 600 | 550 | 500 | 450 | 400 |
市民の詳細から真ん中の所持金タブを見てイメージ通りの変動をしているかチェックしてみるといいかもしれません。
所得と生活費、課税のバランスがよければ徴税する頻度を減らすことができます。
高すぎる所得に対しての課税
上記の税の取り方だと所得が高すぎる市民からは税金を回収しきれずかなり資産を貯め込んでしまう場合があります。
通常はそこまで気にする必要はありませんが賃金の高い兵士を多く雇用し、生活用品をあまり作っていないと支出が少ないために問題が発生するかもしれません。
公務員の中でも特に賃金(500ピア)の高い守護者の殿堂の兵士を例にしてみましょう。
生活用品をまったく使っておらず、食糧・衛生・娯楽も基本的なものしか使っていない状況を考えてみます。
それだと500以上に25%の課税で1300~1800ピア、550以上に30%で1000~1500ピア、600以上に35で800~1300ピアとかなり高い資産になってしまいます。
そこでさらに一定以上の所持金の市民に定額で課税することを考えます。
試しに上記に加えて所持金750ピア以上に200ピアの税を課すとどうでしょうか。
この場合だと500以上に25%で500~1000ピア、550以上に30%で350~850ピア、600以上に35%で300~800ピア程度に資産を抑えることができます。
ただしこれは国庫の残高が厳しい場合を除けば行う必要がない処置です。
兵士の所持金が上がって中産階級になれば衣服などを購入するようになるので出費も増えます。
貧困層が購入できる生活用品を3種類以上作っているならあまり気にする必要はありません。
必要な税務署の数
所持金が500ピアになった際に40%の税金を取られる場合を考えてみます。
まず200ピアの徴税で所持金が300ピア程度になります。
その後市民は「労働利益-生活費」ピアの資産を毎日積み上げていくことになります。
序盤だと1日に100ピア程度を稼ぎ50ピア使うのでだいたい50ピアずつ資産が増えていきます。
そうなると4日で資産が200ピア増え、再び課税対象になります。
一方で税務署の市民が1日に徴税できる回数は序盤だと8人、終盤だと12回くらいです。
徴税が1人あたり4日に1回でいいなら税務署1つで30人分を担当させることができます。
ただ娯楽担当や研究所、兵士などは1日に150~200程度の報酬を受け取りますから彼らには毎日、あるいは2日に1回程度の徴税が必要になります。
そのため実際には税務署1つあたり20人分程度と見積もっておいたほうがいいでしょう。
目標に合わせた福祉の設定
あとは所持金が少ない市民に福祉法で補助金を出し、すべての市民の所持金が目標額の範囲におさまるようにするのが望ましいです。
目標額にある程度の幅を持たせて考えると補助金の額を設定しやすくなります。
300~400の範囲にしたいのであれば100の幅があるので300未満に100ピアを支給すれば所持金400ピアを越えません。
ただこの場合だと完全に所持金0になっているような市民は所持金100ピアにしかならないのでやや心もとないです。
260~420と考えて260ピア未満に160ピア程度だとどうでしょうか。
この額だと穀物農園の市民の所持金が心配なのでもう少し持たせたいところです。
食糧生産の安定と国庫の安定でどちらを取るのかという問題になります。
ただ商法に比べると福祉法は枠に余裕があると思うので、食糧の生産に関わる市民だけを市民名簿に登録し追加で補助金を出してもいいでしょう。
目標額を220~440ピアに設定し、所持金220未満の市民に220ピアを支給すれば確実に目標範囲内まで資産が回復します。
これだと支払いが多くなるので国庫のほうがやや不安になりますが、金銭的に余裕がある状況ならこれくらいの幅を持たせて考えたほうがいいと思います。
状況に合わせた目標額の調整
目標額をいくらにするかは難易度や都市の発展度合いで異なるので調整が必要です。
金策を始めていないのであれば開始時の国庫2万(難易度:易しい)を市民の数で割っていく感じになります。
100人でも1人あたり200ピアになるので最初の持参金300ピアと合わせて中産階級に必要な500ピアくらいは持たせることができます。
ただ流石に国庫を0にするわけにもいかないのでその分を造幣局で増やしたり貿易で外貨を稼ぐのがいいでしょう。
また難易度:難しいだと開始時の国庫に余裕がないので序盤の目標額は300ピア前後になるでしょうし、中盤以降だと市民を中産階級に維持するための500ピア以上が目標額になると思います。
貴族勝利を狙うなら上流階級の条件である3000ピアを市民に持たせなければなりません。
資源・サービス利用への補助金
基本的な生活費への補助金
食糧・娯楽・衛生の利用に補助金を出せばそれらへの支払いによるムラがなくなるので持たせる所持金を低く抑える(税率を上げる)ことができます。
つまり政策枠に余裕があるなら補助金を出すことによってむしろ国庫の額を増やすことができます。
資源やサービス価格を下げてしまうとそれらを提供する側が貧しくなる可能性が高いので補助金のほうが管理は楽だと思います。
生活用品への補助金
生活用品を利用している場合は1週間に1つ利用するのでそれも考慮する必要があります。
これもまた厄介で平均支出は日割りで計算すればいいですがローンなどもないので実際は1日にまとめて支払うことになります。
つまり油なら25ピア、革袋なら30ピア、陶磁器なら20ピアなどの支払いがまとめて来るタイミングがありえます。
たまたまそれら全てを同時に購入する場合もあり、その状況で徴税されると所持金がゼロになることも多いでしょう。
利用している生活用品に補助金を設定すればそれらへの支払いで市民が破産するリスクを大幅に減らせます。
特に38ピアのコウモリポーションを早い段階から利用する場合などは補助金を出したほうがいいかもしれません。
製造業への補助金
全ての市民の所持金を増やさずとも高価な資源に補助金を出すほうが簡単な場合もあります。
たとえば穀物農園で肥料を使う場合は骨粉に材料費と同額程度の補助金を出すといいかもしれません。
骨粉は値段が高いので肥料が買えずに食糧生産が滞ってしまう可能性がありますが、補助金によってそれを防ぐことができます。
ブルワリーでのビール製造も酒樽がなかなか高価なので補助金を出す候補になります。
中盤以降であれば部品工場やブルワリーでのワイン製造などは材料費だけで300ピア、大量生産だと600ピア程度が必要になるのでより多くの所持金を持たせなければ生産が止まってしまいます。
鉄板・銅線・歯車やニッケル、あるいはシルク・染料・油やガラス瓶などは高価なので候補になるでしょう。
施設の担当者の金欠で稼働が停止((建造物にピアのアイコンが表示されます))しているのを頻繁に見かけるなら材料への補助金を検討してみるのもいいでしょう。